六本木ヒルズからの七転八倒

【コラム】激闘!韓国カジノ編!52【179】

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「は……はい??」

私は驚いて思わず聞き返してしまった。

「だから、今10万円持ってない?」

今度はキチンと単位をつけてSさんは言った。それは『ウォン』ではなく『円』だった。それは、一瞬にして貨幣価値が10倍にまで跳ね上がったことを意味する。

「な……なんでですか?」

私は重ねて尋ねる。とはいえ、ここはカジノだ。10万円持ってるかどうかを訊いておいて「あっそう良かったね」で終わるわけがないことはわかっている。

Sさんは満面の笑みを崩さない。

「いや、今バカラで『鉄板』があるんよ。だからどうしても賭けたいんよねっ!!」

Sさんは駄々っ子のように体を揺らした。

『鉄板』とは、説明するまでもなく『鉄のように堅い』という意味だ。よく競馬などの公営競技で使われるギャンブル用語だ。

しかし、いわば半丁博打であるバカラにおいて『鉄板』などと言い出すのは……実にヤバイ状況かもしれない。

Sさんはニコニコしたまま続ける。

「いや、俺もホテルの部屋に戻れば現金はあるんよ。でも今手元に無くてさ。だからもちろん、部屋に戻ったらすぐに返すからさ!」

Sさんは顔の前で手刀を立て、眉をハの字に曲げた。

私は正直、悩んだ。こんな場で10万円も貸してしまっていいのだろうか。どう考えても死亡フラグがビンビンに立っている。だが同時に、Sさんは今回の韓国旅行の発起人であり、宿や旅程の全てをお任せしている恩人でもある。それに、お金を返してもらえないなんてことは絶対に無いはずだ。

私はしばらく逡巡してから、すでにベッティングサークルに置いていたチップを、自分の手元へと引き戻した。

「バカラのテーブルに行きましょう」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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