六本木ヒルズからの七転八倒

【七色編10】転がり込んだ、逆転トップ

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「チートイドラ1で3200点です」

私はゆっくりと手配を倒し、深く息を吐いた。これで私は27200点、高垣さんは25800点となり、逆転トップだ。可能性としては考えていたものの、その確率はかなり低いだろうと思っていたので、ロンの声が一瞬遅れてしまった。

「優勝は長崎さんです、おめでとうござます!これで四連勝です!」

店員の威勢の良い声が、ゲームの終了を知らせる。それでも振り込んでしまったことに納得がいかないのか、高垣さんが訝しげな顔で私の手牌を覗きこんできた。

「チートイドラ1?」

やはり納得がいかないような口調で尋ねてきた。

「はい。赤ドラです」

私はそう言って、高垣さんの捨て牌を指差した。そこには、赤五萬が静かに横たわっていた。

「……あぁ」

高垣さんは椅子に深く座り直し、額に手をやった。それまでの打ち筋を見る限り、決して下手な打ち手ではなさそうなので、この煮詰まった局面で赤五萬が出てきたことは意外だった。

これで四連勝だ。気を良くした私はさらなる連勝を目指して次回のゲーム代を用意した。その時、ズボンのポケットの中で携帯電話が震えた。裕子からのメールだ。連チャンが終わったから迎えに来いとのことだ。お姫様にそう言われてしまってはお迎えに向かわざるを得ない。私は店員にヤメる旨を伝え、対局した三人に軽く会釈をして席を立った。

その時、ふと高垣さんの手牌が視界に入った。その手牌は、白単騎待ちの5・6・7の三色同順の手でテンパイしていた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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