六本木ヒルズからの七転八倒

【七色編20】ジャグラーのアレはなぁ……

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「なんですか、アレって?」

「ほら、さっきも話してた……ド忘れしたわ。あんたの彼女さんが昨日打ってた……」

「あぁ、コンチ4X」

「そうそう!それやそれ。アレもなぁ……」

高垣さんは目を閉じ、人差し指で眉間を二三度叩いた。私はなんとなく話の内容は予想できたが、高垣さんの次の言葉をじっと待った。

「アレ、赤七と緑七、狙い分けなイカンやろ?それ知らんで打ち始めてな。3ゲームくらい回して、何かオカシイと思って、台の上にあった小冊子見たんよ。AT入ったら毎ゲーム赤と緑狙えとか……俺にとっては苦行以外の何者でもないわ。せやから千円でヤメたわ」

私は無言で小さく二度頷いた。目押しがさほど上手くない裕子ですら、コンチ4Xの目押しは簡単だと言っていた。だがそれは、赤と緑を見分けられるからなのだ。

「ジャグラーのアレはなぁ……」

高垣さんは身体を起こし、半分ほど残っていたビールを豪快に飲み干した。

「イヤな。ずーっとGOGO!ランプ見とったらわかるんよ、ペカったら若干やけど色が変わるからな。せやけど、ちょっとでも目離したら、ようわからんねん。さっきからこんな色やったっけ?ってな。そこでコレや」

高垣さんは両手でトンネルを作り、その穴から私の顔をのぞき込んだ。

「それで見るとわかるんですか?」

「あのな、ペカったらな、GOGO!ランプの中の豆電球が光るやろ。そうすると、豆電球の外側のガラス球の部分が見えるようになるんよ。ペカってなかったらガラス球は見えん。それを確認するために、周りからの光を手で遮るんよ。周りが明るいと見にくいからな。まぁ俺独自のやり方やな」

網の上で、ハラミの色が変わっていく。私は鮮やかな緑色をしたレタスを頬張った。

「ジャグラーなんかよぉ……」

高垣さんはテーブルに両肘をつき、口を尖らせた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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