六本木ヒルズからの七転八倒

【七色編21】「ファンファーレ鳴らせよ!」

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「ジャグラーなんか、あんなもん、ペカったら音出せばええのに。ペカった瞬間が一番嬉しいんやから、そこでファンファーレ鳴らせよ!そうすれば俺もわかるのに……。そう思わへん?」

今までそんなことを考えたこともなかったが、確かにその通りかもしれない。私は「確かにそうですね」と答えた。

自らの境遇を笑い話にして吐露する高垣さんを見ていると、私は自分自身の無知が恥ずかしくなった。同時に、私の無知のために、高垣さんを腫れ物のように扱ってしてしまうことを懸念した。間違いなく、高垣さんはそんな風に接して欲しいとは思っていないはずだ。

「こんなこと聞いてもいいのかアレなんですけど……」

「おう、何でも聞けや」

「あの……どうやって色弱だって気がついたんですか?」

「あー。小学校の頃にやったやろ、色覚テスト。丸い円の中に水玉模様があって、そこに数字が書かれてるアレや。二年生の時やったかな?今はあのテストやってないらしいけどな。自分は普通に答えたつもりやったんやけど、他の子とは違ったってことやな」

それを聞いて、私も小学生の頃に同様のテストを受けたこと思い出した。当時は子供ながらにバカバカしいテストだ、などと感じていた。

「まぁ日常生活にはほとんど影響ないけどな。こっちからわざわざ言わんと、誰も気がつかんし。スロットも麻雀も焼肉も、人生においては大したことじゃないからな」

私の顔を覗き込むように見る高垣さんの顔から、白い歯がこぼれた。

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長崎 正吾

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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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