六本木ヒルズからの七転八倒

【七色編24】『樽』目指しましょう、最後だし。

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私は、GOGO!ランプがペカったことを高垣さんに伝えようとしたが、その言葉を飲み込んだ。

高垣さんは何かに気がついたのか、僅かに眉が動いた。私は黙っていることにした。台に向き直った高垣さんは、GOGO!ランプをしばらく見つめてから、両手でトンネルを作った。だが、すぐにその両手を崩し、GOGO!ランプを指差しながら私の顔を見た。

「よそ見しとったけど、分かるわ。アンタの顔が一瞬ペカったからな」

私は思わず吹き出してしまった。ポーカフェイスを決めていたつもりだったが、どうやら見破られていたらしい。私は苦笑いを浮かべながら、小さく頷いた。

「僕の顔、ペカってましたか?」

「一瞬だけ目が泳いどったからな。そういうところよう気がつくねん。これでも営業マンやからな」

高垣さんは一枚掛けで鮮やかにBARを三つ揃えた。派手なファンファーレが鳴り響く。データ表示機を見ると、本日21回目のビッグボーナスだった。下皿のコインが溢れ出しそうになるのを見て、私は高垣さんの代わりにドル箱を持ってきた。

「この勢いなら『樽』までいけるんじゃないですか?」

「いや、そら無理やろ。ジャグラーで樽なんて使うことあんの?」

「僕、何度かありますよ。8000枚くらい出たりしますからね」

「ホンマか!?やっぱりプロは凄いのー!」

高垣さんは、ニヤニヤしながら私の肩を小突いた。ビッグボーナスを消化し終え、台に静寂が戻った時、高垣さんがポツリと呟いた。

「やっぱ、スロットってオモロイよなぁ」

→NEXT【七色編25】『ジャグリー』さんだよ

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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