六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編07】一機種占領ってズルくない?

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「『ノリ打ち』の最大のメリットは、今言ったように『リスクの低減』だろうね。スロットなんて毎日高設定つかめるワケじゃないからね。それに……」

私は炊飯器に顔を近づけ、炊きたてのご飯の香りを堪能した。この匂いが苦手だという人がいるらしいが、私には信じられない。

「それにね、例えば前に『スロットトヨタ』でさ、『タイムクロス』のオール設定バトルってイベントやってたでしょ?」

「うん、やってたね。二人して座れなかったけど」

「『トヨタ』の『タイムクロス』って六台しかないでしょ。そこで、知り合い集めて六人全員で座っちゃえばさ……」

しゃもじを炊飯器に突っ込んでいた裕子の手が止まった。裕子は私が言わんとしていることを悟ったらしく、目を大きく見開いた。

「で、しばらく打ってみて、高設定っぽい台だけ閉店まで粘って、低設定っぽい台は早々にヤメちゃう。そして閉店後にみんなで山分け、と」

裕子は止まっていた手を動かし、ご飯を皿によそった。

「でも、なんかそれズルくない!?一機種占領しちゃうんでしょ?」

私は炊飯器から顔を離して、顎を掻いた。

「いや、今のはちょっと極端な例だけどね。まぁ店のルールに則って台取りしてる分には、ズルとは言い切れないんじゃないかな。それに、そんなに毎回都合良くはいかないしね」

私はご飯が盛られた皿を手に取り、カレーをたっぷりとかけた。大きめに切られたジャガイモやニンジンがご飯の上をゴロゴロと転がった。思わず顔がほころんだ私の顔を、裕子は腑に落ちないような表情で見ていた。

「じゃあ、『ノリ打ち』ってそんなに良い作戦なら、アタシ達もやればいいんじゃない?」

至極真っ当な質問が飛んできた。

「それは……食べながら話そう」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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