六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編09】『サンダーV』の着メロ

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「意外って何が?」

「あの子、学級委員とかやってる優等生だったんだよ。しかも当時から『スター』だったんだよ」

「『スター』?何それ。芸能活動でもやってたの?」

私が尋ねると、裕子はニヤリと笑った。

「そうじゃなくて、マクドナルドのアルバイト。マックって、普通のバイトのことを『クルー』って呼んでて、その上に『スター』っていう役職?みたいなのがあるんだよ。あの子、高校一年の頃からずっとバイトしてたんだ。母子家庭だったから大変だったみたい」

私は、カレーを半分ほど食べたあたりで、脇腹を汗が伝うのを感じた。たまらず窓を開けると、やわらかな夜風が頬を撫でた。

「だから、あんな優等生だった恵がスロットなんかやってるのがチョット意外でさ……」

「スロット『なんか』とは失礼な。裕子も俺もどっぷりハマってるじゃない。まぁおそらく、彼氏に教えてもらったんじゃないのかね」

その時、裕子の携帯電話から『サンダーV』のビッグボーナスのBGMが流れた。

「あ、また恵から」

裕子はそう言って、スプーンを咥えたまま恵さんからのメールを読み始めた。私は皿に残っていたカレーを一気にかき込んだ。やはりレトルトものとは違い、野菜がゴロゴロ入っていると満足度が高い。ペットボトルの緑茶を飲み干し、ふーっと一息ついた。窓から強めの風が吹き込んだ。火照った身体を冷やすにはちょうどいい。

「ねぇ……恵が明後日ご飯でもどう?って言ってるから、行ってくるね」

私は右手の親指と人差し指で丸を作って、OKサインを出した。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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