六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編32】そりゃあ勝っただろうさ

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「阿久津さん、何だって?」

「んー……」

裕子は携帯電話をカチカチとスクロールさせ、阿久津さんからのメールを読んだ。スクロールさせる音が止まった後、裕子は頬を緩ませた。

「恵たち、勝ったってさ。また行こうね、だって。今、あの焼肉屋でご飯食べてるって」

「ふぅん、あれだけ出てればそりゃあ勝っただろうさ。どれくらいプラスになったんだろ?」

「うーん……」

裕子は足をバタつかせながら、携帯電話のスクロールボタンを押して文面を遡って確認した。

「具体的には書いてないや。気になるなら訊いてみる?」

「別に気になるってこともないけど、一応参考までに訊いてみてよ」

阿久津さんはともかく、大神田さんの大勝ちを聞かされるのは癪ではあったが、今後私と裕子とでノリ打ちをしないとも限らない。その時の参考になるだろうと、不本意ながら確認しておくことにした。

裕子はプロゲーマーのような指使いで携帯電話を操作し、あっという間にメールを送信し終えた。一体そのスキルはどこで身につけたのだろうか。裕子は枕に顔を埋め、携帯電話を握った右手をだらりとベッドの下へと垂らした。

「ジャグラーやっぱりつまんなかった。全然出ないんだもん」

「あれは俺の朝イチの台選びが悪かったよ、ゴメン。移動出来ればよかったんだけど……」

私の謝罪を遮るように、裕子の携帯電話がまた鳴った。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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