六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編37】なんでよ!イヤだよ!

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裕子は私が言わんとすることを理解したのか、少しだけ目を見開いて息を吸った。

「だから、さ。さっき俺が言ったことと合わせて考えると、ね。確かめてみたくなるでしょ?」

裕子は肩を落として、大きくため息をついた。

「うーん、なんか納得いかない気もするけど、そんな気もしてきたかも」

「でしょ?」

私は裕子の顔を覗き込んだ。

「やることはそんなに難しくないよ。さっき説明した通り、なるべくバレないようにコッソリとね。それで実際は何も無かったら、それはそれで杞憂に終わったってだけでいいじゃん。大団円だよ」

「もし、何かあったら?」

裕子が不安そうに眉を曲げた。

「もし、何かあったら……それはそれで、友達のためにはなるんじゃないのかな。どうだろう?」

私は裕子に尋ねた。裕子は腕組みをして目を閉じ、考え込んだ。しばらくして、眉間にシワを寄せながら、無言で二三度頷いた。

「じゃあ決まりだ。阿久津さんにメールして、また四人で打ちに行く段取りをつけよう」

「うん、わかった。でも大丈夫かなぁ」

「別に心配するようなことは無いよ。でも、裕子が担当した方がいいと思うんだよね、あっちを……」

私が言うと、裕子は大きく息を吸い込んで、目を大きく見開いた。大声が飛んでくることを察知した私は、肩をすくめて身構えた。

「なんでよ!イヤだよ!正吾、アタシが今日どんな目に遭ったか覚えてないの!」

「いや、もちろん重々承知してるけど。その方が不自然じゃないでしょ。お友達のためにも、さ」

裕子の手から放たれた枕が、無慈悲にも私の顔面に直撃した。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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