六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編40】ジャグラーしか打たないのかと

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「今日は何を打つんですか?」

私が訊くと、阿久津さんは大神田さんの顔を見上げた。

「今日も大花火にするつもりです。彼は……」

「僕は何にしようかな。こないだみたいにサラ金かコンチかな」

大神田さんは、阿久津さんの肩に手を置いて言った。もはや私の目には、大神田さんの一挙手一投足が胡散臭く見えてしまう。

「長崎さんは何を打つんですか?」

「僕はタイムクロスでも打とうかと思ってます」

私が言うと、大神田さんが驚いたような顔をした。

「へー、ジャグラーしか打たないと思ってました」

「僕、こないだ大神田さんと並んでサラ金打ってたじゃないですか。それに僕はノーマルタイプなら基本的になんでも打つんですよ。まぁ阿久津さんほど目押しが上手くないから、大花火は敬遠してますけどね」

そう言うと、阿久津さんは顔の前で手刀を振った。この仕草は癖なのだろう。阿久津さんはその手刀を頬にあて、裕子に言った。

「裕子は何打つの?サラ金?」

「アタシは……何打てばいい?」

裕子が私の顔を覗きこんできた。

「店に入ってから決めればいいんじゃない?その時の状況次第で」

私のその言葉に、大神田さんが噛み付いてきた。

「へー、前回は機種だけじゃなくて台まで指示してたのに、今日はずいぶんと適当ですね」

「いいんですよ、ホールの状況なんて日一日と変わるんですから。臨機応変に対応すれば」

思わず語気が強くなりそうになるのを抑えつつ、適当にごまかした。そうだ、今日は臨機応変に対応する必要があるのだ。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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