六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編43】ビッグ一回711枚

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三千円を投資したところで最初のビッグボーナスに当選した。これくらいの投資額で初当たりを引いてくれるとありがたい。難易度の低いリプレイハズシを淡々とこなし、420枚のコインを獲得した。今日は小役の引きも悪くないようだ。

背後では阿久津さんがレギュラーボーナスを消化していた。レギュラーでは阿久津さんの目押し力が発揮できない。早くビッグボーナスを引いてくれないかと願いながら、私は自分の台へと向き直った。

それからしばらく遊戯を続けると、立て続けにビッグが連チャンしてくれた。今日は調子が良いようだ。いつもこうならいいのだが、などと思いながら、台上のドル箱へと手を伸ばした。

ビッグボーナスを消化し終えると、背後からけたたましいファンファーレが鳴り響いた。振り返ると、阿久津さんがやっとビッグボーナスを引いていた。阿久津さんは膝の上に乗せた財布の札入れに目を落としてから、ビッグを消化し始めた。

それを見て、私は裕子の様子を確認するために席を立った。阿久津さんの背後を通りすぎようとした時、ふいに阿久津さんが振り返り、私と目が合った。私は慌ててきびすを返し、阿久津さんの耳元で言った。

「ちょっと裕子のところに行ってきます。頑張って711枚出してください」

そう言うと、阿久津さんは困ったように眉尻を下げて笑った。大花火のビッグ一回の最高獲得枚数である711枚は、目押しの上手さ云々は関係がない。事実上、完全に『運』なので、頑張ればなんとかなるというものではないのだ。

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  • タイムクロス。山佐の名機だ。タイムクロス。山佐の名機だ。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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