六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編44】灰皿の中の、コイン

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私は店内をぐるりと一周してから、サラリーマン金太郎とコンチ4Xのシマへと足を踏み入れた。サラ金のシマとコンチ4Xのシマは通路を挟んで背中合わせに配置されている。サラ金のシマを端から眺めると、店の入口側から二番目の台に編み込みの頭が見えた。裕子だ。その斜め後ろのコンチ4Xの台には、やたらと座高の高い男が見えた。

私は狭い通路をゆっくりと歩き、裕子の台へと近づいた。

「どう?調子は?」

私が声をかけると、裕子は僅かに身体を震わせ、ゆっくりとこちらを振り返った。裕子は私の顔を見ると、胸に手を当てて深く息をついた。

「もービックリするじゃん!」

「ゴメンゴメン。調子、良さそうだね」

私は台上に置かれた1000枚ほどのコインが詰められたドル箱を見て言った。

「まぁね……、あちらさんも調子良さそうだけど」

裕子は僅かに顎を突き出した。私はさりげなく後ろを振り返った。そこには、コンチ4Xのシマで、ドル箱にコインを移す大神田さんの姿があった。

「まぁ投資が少なくて楽だったけどね」

裕子は下皿の左端に備え付けられた可動式の灰皿を指差した。そこには、数枚のコインが入っていた。私はその灰皿をくるりと半回転させて、中に入っていたコインを手に取った。手の中に四枚のコインが光った。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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