六本木ヒルズからの七転八倒

【乗打編48】回る回る、二人掛け

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「そろそろご飯行かない?」

裕子が私の肩越しに顔を出した。

「もうそんな時間だっけ?」

「二時だよ。朝ご飯食べてこなかったからお腹すいちゃった。正吾もすいてるでしょ?」

私はコーラを飲んでいたおかげで空腹感が紛れていたが、そう言われると食欲が湧いてくるというものだ。裕子は阿久津さんにも声を掛け、阿久津さんはそれに頷いた。

「大神田さんは?」

私が尋ねると、裕子は肩をすくめて両手の手のひらを上に向けた。彼に声をかけるのも嫌だということなのだろう。私は、裕子を大神田さんの担当にしたことがを申し訳なく思った。だが、これが逆では、もう一つの懸念点を払拭できない可能性があった。私は心の中で裕子に詫びながら、小さく頷いた。

阿久津さんが大神田さんに声を掛け、私たちは四人で近所の回転寿司屋に入った。

「いらっしゃい!はいお二人様どうぞカウンターへ!」

店に入ってすぐ、中年の女性店員に歯切れよく促された。

「あ、四人なんですけど」

裕子が指を四本立てると、

「あー、二人ずつなら空いてるよ!四人一緒がいいならよそ行って!」

そう言って、女性店員は屈託なく笑った。私たちは顔を見合わせた。

「まぁ、三十分しかないし、いいですよね?」

私が言うと、全員が頷いた。私と裕子は店の奥のカウンターへと誘導された。寿司が回るレーンのちょうど反対側に、阿久津さんと大神田さんが座った。いざ座ってみると、むしろこの方が都合が良かったかもしれない。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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