六本木ヒルズからの七転八倒

【人魚編10】切れ目??

「そうッス!切れ目っていうか『つなぎ目』ッスね!」

堀口は、自分の台の左リールに停止させた『BAR』図柄の上を指先で水平になぞりながら説明を続ける。

「『BAR』のスグ上にリールのつなぎ目があるんスよ!」

確かに堀口の言うとおり、『BAR』の上にはつなぎ目と思しき横線が確認できる。

「で、作りが雑だからちょっとだけズレてるんスよ!リールが回ってるときはそこがガックンガックンして見えるんスよ!」

ガックンガックン?なんとなく理解できるようなできないような……だが、説明下手の堀口がこんなに丁寧に解説してくれたのだから、とりあえず言われたとおりにガックンガックンとやらを意識してみる。

コインを1枚だけ入れてレバーを叩く。

「ほら!これッスよ!リールの右端を見るんスよ!ガックンガックンしてるッスよね!」

「うーん……お!おぉ! なるほどね!」

堀口の言うとおりだ。一定のタイミングでリールがガクンガクンとブレているのが確かにわかった。

「そのタイミングで押すんスよ!たぶん揃えられるッスよ!」

よし。ここまできたらなんとしても自力で揃えたい。私は、金髪の人魚を揃えたときと同じように、心の中で『ガク……ガク……ハイッ!』と唱えながらストップボタンを押した。

ピロッ、という音を伴って左リールの中段に停止したのは、紛れもない『BAR』だった。

「おぉ!キタよ堀口!」

私が興奮気味に隣に顔を向けると、堀口は無言で力強く親指を立ててくれた。この調子で中・右リールも『ガク……ガク……ハイッ!』のタイミングで『BAR』を狙う。

すると、さっきまでは「絶対に見えない」と断言していた『BAR』が、見事に一直線に揃ったではないか。

「ヨッシャ!!」

私は咆哮を上げた。

→NEXT【人魚編11】オモシロイな!スロットって!

  • 「ガックンガックンして見えるんスよ!」(C)KITA DENSHI「ガックンガックンして見えるんスよ!」(C)KITA DENSHI

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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