六本木ヒルズからの七転八倒

【人魚編24】耐えられない、ハマリ・・・

651ゲームハマった後のレギュラーで、私は意気消沈していた。データロボを見上げると、そこには「0」の数字が。

さっきまで600を超える数字を見ていたせいか「0」の数字が異様に小さく見え、なんとなく「今度はすぐに当たるんじゃないか」という淡い期待を抱いた。

――とりあえず、100ゲームくらい様子見るか

特に根拠はないが、100ゲームという目安を作って打ち続けることにした。強いて根拠を挙げるなら、さっきのハマリを食らうまではそれくらいで結構当たっていたから、といったところだ。

そう思ってゲームを消化していたが、目安の100ゲームはあっという間に訪れた。こうなると先ほどの悪夢が鮮やかに蘇ってくる。

――ちょ、ちょっと堀口のところに行ってくるか

私はビッグとレギュラーの回数と、随分増えたゲーム数を復唱しながら堀口の元へと急いだ。

――10の4の2137、ジュウのヨンのニイチサンナナ……

クランキーコンドルのシマへ入ると、ちょうど堀口が台の上の箱に手を掛けているところだった。

「堀口、スゴイじゃん!結構出てるね!」

「そうッスね!やっと反応し始めた感じッスね!そっちはどうッスか?」

堀口はビッグボーナスを右手で消化しながら、左手でコインを箱に移し替えている。その様はまるで人間国宝級の熟練した職人のようだ。

「それがさぁ、あの後651ゲーム目で引いたのがレギュラーでさ。その後100ゲーム回したとこなんだけど」

「あらー、マジッスか!?今、総ゲーム数はどれくらいッスか?」

「えーとね、ビッグは10のままでレギュラーが4、ゲーム数が2100……あれ?確か2100ちょっとだったと思う」

そう伝えると、堀口は右の眉だけを下げて渋い表情を作った。

「そろそろヤメ時かもしれないッスね。競馬の日だし、これ以上はヤバイかもしれないッスね!」

「そうか……なんか俺もそんな気がするんだよね。じゃあヤメようかな」

正直、まだまだ打ちたいという気持ちも強かったが、またあのハマリを食らってしまってはスロットを嫌いになってしまいそうで怖かった。

「ちょっと長崎さんのコイン流してくるから」

堀口は千夏さんにそう言うと、千夏さんは小さく頷いた。堀口の千夏さんに対する口調は、私に対するそれとは微妙に違うように感じた。

→NEXT【人魚編25】なんだコノ機械?

  • レギュラー引けてないッスね!レギュラー引けてないッスね!

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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