六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編105】ブラックサンダー攻撃

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自分のデスクに戻ると、椅子のキャスターの転がる音が背後から聞こえてきた。

「はい、これ。一個あげる」

口に何かを含んだまま、モゴモゴした口調の美瑠希がマウスの横に何かを置いた。
それは、小さなチョコレート――ブラックサンダーだった。

もし今日がバレンタインデーであれば、美瑠希が私に対して何の好意も持っていないということを強く確信することができただろう。だが、幸いにして今日はバレンタインデーではなかった。

「ありがと」

私はブラックサンダーをつまみ上げ、美瑠希に例を言った。
すると、美瑠希は無表情のまま、ブラックサンダーを置いたあたりに視線を落とした。

どうしたのかと思いその視線の先を追うと、そこには二つ折りにされた小さな紙の切れ端が置いてあった。

私がそれに気がつくと、美瑠希は無言のまま自分のデスクへと戻っていった。

――なんかあったの?

その小さな紙切れには、赤いボールペンでそれだけが書かれていた。
すぐに美瑠希の方を見ると、彼女は一瞬だけ目を合わせてからすぐに仕事に取り掛かった。

私は机の上に置かれたペン立てからボールペンを掴み、その紙の裏側に短く書き記した。

――あとで話しがある

それが内側になるように二つ折りにして、今度は私が椅子のキャスターを転がし、美瑠希の方へと移動した。

「ボールペン、サンキュ」

それだけ言って、借りてもいないボールペンと紙切れを美瑠希のデスクの端へと置いた。ボールペンは私の物なので、あとで返してもらわなければいけないなと思いつつ、午前中の仕事に取り掛かった。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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