六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編115】やっぱり知ってるじゃん

←BACKパソコン版【入札編114】言っちゃったよ……
←BACKスマホ版【入札編114】言っちゃったよ……

「でも、なんで突然辞めようと思ったのさ?仕事は順調でしょ?面倒な山倉も降格になったし……」

そこまで口にした瞬間、ハッとして辺りを見回した。ちょうど今食事休憩に出ている山倉が背後にいるような気がしたからだ。だが、近くにいるのは美瑠希とアウトドア派のおじさんだけだった。私は気を取り直して話を続けた。

「そう……山倉も降格されて、今では完全に快人の部下じゃん。仕事もやりやすくなったでしょ?」

そう言って笑うと、快人も笑いながら「確かに」と返した。

「本田さんも快人には期待してるって言ってたんだよ。美瑠希と両輪になってウェブオク監視の部署を引っ張っていって欲しいってさ」

多少話を盛っている部分もあるが、現状を考えるとおおむね間違いではないだろう。それを聞いた快人はまんざらでもないような口ぶりで「まぁな」と小さくつぶやいた。

これは意外と簡単に思いとどまってくれるかもしれない。そう思うと、さっきまでの緊張感がバカバカしく思えてきた。私はベンチの背もたれに身体を預け、両肩の力を抜いた。

「だからさ、イキナリ辞めるなんてバカなこと言わないで……本田さんも今快人に辞められたら困るって言ってたし……」

「やっぱり本田さんから聞いてるじゃん、俺が辞めること」

私の言葉を遮るように、快人は強く言い放った。
私は心臓を射抜かれたように、ピクリとも動けなくなった。

快人の言葉には、私に対する不信感がたっぷり込められているようだった。

→NEXTパソコン版【コラム】燃え上がれ~お台場♪【113】
→NEXTスマホ版【コラム】燃え上がれ~お台場♪【113】

→NEXTパソコン版【入札編116】Windowsは起動する
→NEXTスマホ版【入札編116】Windowsは起動する

profile

長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
  • 性別:
  • 誕生日:
  • 血液型:
  • 出身地:
  • 好きなもの:
  • 嫌いなもの:
  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

calender

9月≫
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

戻る