六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編122】打ち破られる、怒声

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「じゃあ落ち着いたらメールでもするよ」

私がそう言うと、快人は安心したように「それじゃ」とだけ答えた。

快人の声が聞こえなくなり、耳元には無機質な電子音が規則正しく流れてきた。
ため息をひとつ吐き出してから携帯電話の画面を見ると、快人と話し始めて十分ほどが経過していた。感覚的にはもっと長く話していたような気がしたが、実際にはこんなものだったのかと少し驚いた。

もう一度大きく息を吐きだして、ベンチに深く座り直した。すると、隣から熱い視線を感じた。そちらに顔を向けると、美瑠希がじっとこちらを見つめていた。

「ま、いいんじゃない?」

私は携帯電話を顔の前で揺らしながら尋ねた。
美瑠希は僅かに口の端を上げて、小さく頷いた。完全に納得しているというわけではなさそうだが、仕方無いと理解はしている、そんな感じだった。

私はコンビニ袋の中から、まだ食べていなかった惣菜パンを取り出した。今になって、お茶を飲み干してしまったことを後悔した。もう一度コンビニに行くのは面倒だし、近くに自販機も見当たらない。仕方なく私は惣菜パンをドリンクなしで頬張った。

静かな時間が流れる。頭上の首都高速を疾走する車の音だけが周囲に響く。美瑠希は黙って俯いている。何か言葉をかけてあげた方がいいのだろうが、何も思いつかない。

「オイッ!!」

そんな気まずい沈黙を、背後から飛んできた怒声が打ち砕いた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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