六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編127】「今ドコ?」

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美瑠希の副管理者就任初日は滞り無く幕を閉じた。といっても、美瑠希に肩書が付いただけで今までと何も変わっていないのだから当然といえば当然なのだが。

「お疲れ様」

仕事を終え、美瑠希に声をかけた。

「うん、お疲れ様」

美瑠希は一瞬だけこちらを向いてくれたが、すぐに視線をモニタへと戻してしまった。どうやらまだ仕事が残っているようだ。平アルバイトの私の業務は何も変わっていなくても、副管理者になった美瑠希の仕事はおそらく大幅に増えているはずだ。

これからは以前のように一緒に駅までの道のりを歩くことも少なくなるのかと思うと、一抹のさみしさを覚えた。

「んじゃ、お先~」

私は額に手刀をあてて、誰ともなしに退社の挨拶をした。
部屋を出て、エスカレーターの前に立ち、『下』のボタンを押す。ほどなくしてエスカレーターが到着した。私はゆっくりと中に乗り込み、一階のボタンを押した。
ゆっくりと閉じる扉を見ながら、美瑠希が追いかけて来ないかと期待している自分に気がついた。

水天宮前駅から地下鉄に乗り、一時間ほど帰宅ラッシュに揉まれて石神井公園駅に到着した。すし詰め状態の社内からホームに押し出されると、ひんやりとした夜風が頬を撫でた。

ふっと息を吐き出して改札に向かって歩き出したとき、ポケットの中で携帯電話が震えた。
私はバッグを右手に持ち替えてから、左手で携帯電話を開いた。

「もしもし、今ドコ?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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