六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編15】ATフィールド発動!

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ドアが開くと、一人の女性が入ってきた。後ろ手でドアを閉めると、その女性は深々と頭を下げた。

「スミマセン!遅刻しました!」

顔を上げたその女性は、黒髪のボブカットで、肌は白く、少しタレ目の美人だった。以前にどこかで会ったことがあるような気がして、彼女の顔をもう一度見直した。すると、脳内のデータベースから彼女と完全一致する検索結果がはじき出された。

この会社に面接に来た時にエレベーターの乗り合わせた女性だった。その時も思ったことだが、今日見てもやはりなかなかの美人さんだ。

喉につかえた魚の小骨が取れたような爽快感を得て、ひとり納得した。

同僚の誰かが「また寝坊かよ」と彼女を冷やかした。彼女はごめんごめんと悪びれる様子もなく頭を掻いた。どうやらこの職場は遅刻に対して寛容な風土のようだ。それは、パチスロ屋に朝から並ぶ日以外は非常に寝起きが悪い私にとって朗報といえた。

彼女は、私と快人の背後にあるデスクにバッグを置いた。やはりここは新入りとして挨拶をしておかねばなるまい。この職場でおそらく唯一と思われる女性――しかも美人――に取り入っておくことは、社会人として当然の行動だろう。

その前に、教育係である快人が私のことを紹介してくれるのではないかと、チラリと横目で彼の顔を見た。だがそこには、モニタを見つめたまま微動だにしない彼の姿があった。

さっきまではごく普通に会話していたはずなのだが、今の快人は初めて会話したときのように、コミュ障オーラを全身から放っている。それを不思議に思っていると、背後から張りのある声が鼓膜に飛び込んできた。

「オッス、快人ォ!こちらは新人さん?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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