六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編22】暴対法と商標法でダブルプレー

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山倉は不満気に鼻を鳴らしてからその巨体を180度回転させ、自分のデスクへと戻った。100キロ以上はあるであろう彼が椅子に座ると、その椅子はギシギシと音を立てて軋んだ。そう遠くない未来、椅子が壊れて盛大にひっくり返ることになるだろう。その時は是非とも現場に立ち会いたいと思わずにはいられなかった。

ふと美瑠希の方を見ると、彼女はいたずらっぽく舌を出した。私は眉を上げて応えた。共通の敵がいると、味方同士の結束は固くなるものだ。

私がモニタに向き直ると、隣の快人が無表情でこちらを見つめていた。見つめているというよりも、睨んでいるようにみえた。

「え……っと、代紋でしたよね。これを見つければいいんですよね」

私は取り繕うように言った。

「これらは全部『暴力団対策法』がらみだから、もし見つけたらページを保存して、速やかに管理者に報告。そのあと、管理者はウェブオクの法務部に報告。最終的には法務部が警察に通報」

私は頷きながら基準書の画像をあらためて見直した。

そこには『山』をモチーフにしたと思われる菱型の代紋や、『住』の漢字の周囲に放射状の線が描かれているもの、『稲』をあしらった左右対称のものなど、十数種類の画像があった。

「これって、スーツの左胸につけるピンバッジみたいなアレだけを探せばいいんですか?」

「違う。この代紋が付いていればどんなものでもダメ。バッジはもちろん、手ぬぐい、タオル、扇子、紋付き袴、ボールペンでもアウト」

「へー。厳しいんですね。それだったら、もしキティちゃんタオルに代紋がプリントされてたとしたら?」

「暴対法と商標法でダブルプレー」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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