六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編24】あってはならない、ミス

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『代紋』を探す任務は実に気楽なものだった。見つけても削除せずに報告するだけでいいのだから、そもそも誤削除を恐れる必要が無い。しかも出品自体が激レアらしく、判断に悩むような疑わしい品物すら見当たらなかった。 

――ワレェ!!どこの組のモンじゃ!!

私は脳内で菅原文太になりきっていた。もちろんBGMは『仁義なき戦い』のテーマだ。頭の中で繰り広げられる血で血を洗う抗争とは裏腹に、目の前のモニタの中では『代紋エンブレムTAKE2』の漫画本ばかりが流れていく。

――代紋は!見つけても削除したらいかんけんのぅ!!漫画を削除するなんぞ、もってのほかじゃけぇ!!

知りもしないのに広島弁で啖呵を切る。任侠ものの映画を見ると自分まで強くなったような錯覚を起こしてしまうが、今がまさにそんな感覚だ。

結局、代紋探しの作業は小一時間で終了してしまった。私は松方弘樹ばりに眉間に皺を寄せ、快人の方を向いた。

「代紋チェック……終わりました」

いつもより低い声で報告した。快人が訝しげにこちらを覗き込んだが、私は表情を崩さずに黙って頷いた。

「じゃあ、次は『銃刀法』にいこう。基準書開いて」

快人は私のモニタを指差して言った。
削除基準書の『銃刀法』の項目を開くと、代紋のときと同じように多数の画像が表示された。どれも銃を横に置いて撮られた写真だった。

「まず、銃刀法で注意するのは……」

「おい快人ォ!」

快人の小さな声を遮って、山倉柔造のダミ声が背後から浴びせられた。背中をライフル銃で射抜かれたように、快人はビクンと背筋を伸ばした。

「お前、誤削除しただろ!?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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