六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編39】「パスタ屋デートは楽しかったか?」

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「まぁ、仲が悪いことはないですよ。俺は快人と舎弟の盃を交わしてますから、美瑠希は義理の姉みたいなものでしょう」

先日『代紋』の削除基準を習った時に話していた、ヤクザの『兄弟盃』になぞらえて答えた。それを聞いた快人は小さく鼻で笑った。隣で聞いていた美瑠希は口をあんぐりと開けて呆れた様子だ。

「これからも兄弟仲良く手を取り合って、この『ネットアイズ』を日本一の組にしましょうよ!そうでしょう、アニキィ!!」

突然仕事を辞めるなどと言い出したり、無断欠勤までしてしまったことなど大したことではないと思って欲しかった。実際、私は快人に戻ってきて欲しかったし、一日無断欠勤したくらい瑣末なことだと本気で思った。

そんな思いを込めて冗談めかして言うと、快人はまた鼻を鳴らした。それは、どこか嘲笑を含んできるように聞こえてきた。

「よし、じゃあ明日は出勤ってことでいいですね?本田さんにもそう伝えておきますよ」

「お前ら、付き合ってんの?」

「はぁ?」

こちらの問いかけにまったく咬み合わない快人の回答に、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

「どういうことですか」

私が真意を尋ねると、快人はわざとらしく大きなため息を吐き出した。

「だから、お前と美瑠希は付き合ってんのかって聞いてんの」

快人の語気が僅かに荒くなった。これは冗談半分に言っているのではないと感じた。私はチラリと美瑠希の顔を覗いてから答えた。

「突然何を言い出すんですか」

言ってから、自分の口調が冷徹過ぎたかもしれないなと少し後悔した。
次の瞬間、快人の口から思わぬ言葉が飛び出した。

「パスタ屋デートは楽しかったか?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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