六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編40】信じたから、やめて

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私と美瑠希が昨日の夜、パスタ屋で食事をしたことを、どうして快人が知っているのか。私は頭の中が真っ白になってしまい、机に肘をついて頭を抱えた。ふと隣に目をやると、美瑠希が不思議そうな顔でこちらを見ている。

「どうなんだよ。付き合ってんの?」

私が答えあぐねていると、快人が答えを催促してきた。

「どうして昨日のことを知ってるんですか?」

そう尋ねると、快人は不敵に鼻を鳴らした。

「そんなのどうでもいいじゃん。付き合ってるかどうかだけ教えてよ」

「付き合ってませんよ!前も言ったじゃないですか、俺には彼女がいるって!」

思わず語気を荒らげてしまった。美瑠希が驚いたように目を丸くしている。私は椅子から立ち上がり、彼女をさけるように部屋の隅へと移動した。

「ふーん、そうなんだ。信じていいんだね?」

「当たり前じゃないですか。なんなら今、美瑠希に変わりますから本人に訊いてみたらいいですよ」

「いや、待って。それはいい。信じたから」

快人は慌てて私を制した。「そうか」と快人はひとり言のようにつぶやいた。

この時、私の頭の中では快人についてのある事が、波間に揺れる小舟のように浮かんでは消えを繰り返していた。快人の、美瑠希に対しての態度のことだ。

携帯電話を耳にあてたまま、ブラインドの隙間から外を眺める。昨日のパスタ屋の看板が頭をのぞかせていた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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