六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編41】昼食、拒絶さる

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快人との話を終えて携帯を閉じると、思わず大きなため息が出た。どっと疲れてしまったようだ。

「快人、何て言ってた?」

美瑠希が姿勢を正してこちらを真っ直ぐ見つめてきた。

「とりあえず、本田さんともう一度話してから決めるってことになった。感触としては、辞めない方向になりそうな気がするけど……どうだろ」

私は頭を掻きながら携帯をバッグに放り込んだ。

「『付き合ってる』とか『付き合ってない』とか言ってたけど、何の話しだったの?」

美瑠希が私の顔を覗き込んできた。やはり訊かれるよな、と思い自分の頬に手をあてた。

「なんか……俺と美瑠希が付き合ってるのかって訊かれた」

「えっ……」

スタッカートの効いた短い驚嘆を残し、美瑠希は絶句してしまった。彼女にとっても寝耳に水だったのだろう。私は手のひらを上に向けて肩をすくめてみせた。

「まぁ付き合ってないってことは伝えたから、別に気にする必要はないんじゃないかな。とりあえず食事に行こう。戻ってきたら本田さんに報告しなきゃ」

私は早口でそう言った。だが、美瑠希は私の声が届いていないかのように、ぼんやりと宙を見つめていた。私が「おい」と机をコツンと叩いくと、ようやく電池が入ったように視線を合わせた。

時計に目をやると、休憩時間があと45分しか残っていなかった。早く食事を取って戻らないと、山倉にまたくだらない小言を浴びせられてしまう。私はバッグを肩に掛け、会議室のドアノブに手をかけて言った。

「何食べようか?」

「……アタシ、今日はいいや」

ドアの開く音とユニゾンするように、美瑠希はポツリと言った。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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