六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編43】触れてくれるなオーラ

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美瑠希の口から発せられた言葉に、心臓を揺さぶられる思いがした。彼女にしては珍しい吐き捨てるような物言いだったこともあるが、問題はその中身だ。快人に対して言っているはずだが、それは同時に私に向けられたものでもあるように思える。

私の頭の中では、以前山倉が美瑠希に言い放った「新人が入ってくるたびにイチャイチャしやがって」という暴言が、こわれたレコードのように繰り返し再生されていた。

その暴言を吐いた張本人である山倉は、今日は休みだった。こんな面倒な日にちょうど休みだったことに胸をなでおろした。

始業時間から20分が経った頃、部屋のドアが開いた。快人が一人無言で入室してきた。

いつも通り、窓際にある私の隣の席に腰掛けると、パソコンの電源を付けた。
小さくため息を吐き出し、Windowsのロゴが表示されたモニタを黙って見つめるその姿は、昨日までの騒動には絶対に触れてくれるなというオーラを感じずにはいられなかった。

だからといって、黙っていてはラチが明かない。私は意を決して口を開いた。

「今日は何から始めればいいですか?また銃刀法にしますか」

そう尋ねると、快人は私の方に首をほんの少しだけ曲げて、目尻を掻いた。

「銃刀法……それと代紋をとりあえず。あと……」

そこまで言ったところで、私と快人の間に美瑠希が椅子を滑らせて割り込んできた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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