六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編72】全てを覆す、追記

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快人は後ろ手にドアを静かに閉め、無表情のまま美瑠希たちのほうを見やった。すぐに状況を察したのか足早に自席へと戻り、立ったままパソコンをスリープ状態から復帰させた。

「本田さん」

快人がモニタを覗き込んだ姿勢のまま、本田に呼びかけた。その声はいつもの快人とは違い、どこか自信に満ち溢れているように聞こえた。

「ちょっと2ヶ月前に本社から届いたメールを見て欲しいんですが……」

「それって急ぎ?今、美瑠希と話してるから後でもいいか」

話の腰を折られて、本田は少しぶっきらぼうに言った。

「その美瑠希の件です」

快人はよどみなく答えた。本田も普段とは違う快人の雰囲気を察したのか、自分のモニタへと向き直った。

「2ヶ月前?件名は何?」

「え……っと、『月例報告 追記』です。普段、月例報告を送ってくる人とは違う人が送信してるみたいなんで、メアドがいつもと違いますけど」

快人は腰を伸ばし、本田の方に顔を向けた。本田は自分のパソコンでそのメールを探しているようだ。

山倉がいぶかしげな顔でこちらを睨みつけている。目の前に本田がいるから、怒号を上げないでやっているんだぞ、とでも言いたげだ。

快人が美瑠希の背後を通り、本田の傍らへと移動した。美瑠希と山倉も一緒になってモニタを覗きこむ。

私は自分のパソコンでメールソフトを立ち上げ、検索窓に「月例報告 追記」と打ち込んだ。

「このメールの一番下の方を見てください」

背後で、快人の声が聞こえた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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