六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編74】黒目を大きくパッチリ演出

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その出品物のスクリーンショットはすぐに見つかった。山倉がご丁寧に『連絡帳.xlsm』に貼り付けていてくれたのだ。

長いつけまつげをした女性の瞳がドアップになった画像が一枚。その下の商品説明にはこう書かれていた。

――フレッシュ・ルック・イルミネート!!黒目を大きくパッチリ演出してくれるワンデーカラコンの登場!!

明確に『カラコン』と記載されている。それ以外の説明文を隅から隅まで読んでも、カラーコンタクトであることは明らかだ。

私が振り返ると、四人がモニタを見つめたまま固まっていた。本田は口に手をあてて眉をひそめている。美瑠希は目を大きく見開いて、信じられないといった様子だ。山倉は僅かに頬をひきつらせて、何か言いたそうに唇を震わせている。

そして快人は、いつもと変わらない無表情さをキープしているが、どこか誇らしげに見えた。

「山倉さん。この出品、削除しちゃったんですよね?」

分かりきっていることを、快人は尋ねた。山倉は何も答えられない。

「じゃあ山倉さんの『誤削除』です」

この仕事においてもっとも忌み嫌う言葉を、快人は山倉に対して容赦なく突き刺した。山倉は一瞬目を見開いて快人を睨んだ。

「いつも『薬事法』のチェックやってるのは誰なの?」

本田がため息混じりに尋ねた。

「基本的にはいつも山倉さんです。その日はたまたま美瑠希がやっただけです」

快人が間髪をいれずに答える。まるで答えをあらかじめ用意していたかのようだ。

「……ってことは、この二ヶ月近く、カラコンは全部削除しちゃってたってこと?」

本田が山倉の顔を覗き込む。尋ねられた山倉の視線は、宙をさまよい続けていた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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