六本木ヒルズからの七転八倒

【入札編88】like a オカマタレント

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人生を悟りきったオカマタレントのような口調で、山倉はため息混じりに言った。

確かにそれは一理あるかもしれない。二人がうまくいっている間は何の問題もないが、ひとたびそれが崩れ去ってしまうと突如として問題が噴出しはじめるものだ。

一切口を利かない二人と、腫れ物に触るような周囲の人間。こうして一度悪くなった職場の空気は、そう簡単には元には戻らない。

それなりに居心地が良かったこの職場がそうなってしまうのは勘弁願いたいなと私は思った。

「まぁ……まだあの二人は付き合ってるワケじゃないでしょ。仮に付き合おうが別れようが、外野が口出すことじゃないと思いますよ」

私が諭すと、山倉は鼻をふくらませ、犬でも追い払うように手のひらを振ってみせた。

どこまでも失礼なやつだと思いつつ、私は無言で小さく会釈して階段を降りた。

一階の自販機でカフェオレを購入したものの、まだ飲みかけのものがデスクに置いてあることに気づき、少し後悔した。

カフェオレを手に、今度は山倉を避けるためにエレベーターで五階へと向かう。

五階に到着し、会社のドアを開けると、視界の端――休憩室の隅のあたりに人影が見えた

快人と美瑠希の二人だった。

二人は私の存在に気がつくと、反発しあう磁石のようにパッと離れてしまった。

美瑠希は足早に仕事場へと戻っていった。
その姿を見届けることなく、快人はわざとらしくポケットから携帯電話を取り出して何やら操作を始めている。

気が付くと私は、手に持っていたカフェオレの缶を強く握ってへこませていた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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