六本木ヒルズからの七転八倒

【失踪編14】グリとグル

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「何がですか?」

「だからさ、オカシイと思えへんかって」

ゲンさんは自らの才能の無さを悟ったのか、輪っか作りを諦めて全ての煙をフーっと中空へと吐き出した。そして、ゆっくりとタバコを灰皿へと置くと、またしても麻雀卓に突っ伏すような態勢をとって、私の顔を下から覗きこんだ。

「なんで!間男がベッドにおるのに!ドアチェーンもしとらんのか!っちゅー話や!」

声の音量はとても小さなものだったが、その語気は荒々しかった。

「あー、まぁ確かに。不用心といえば不用心で……」

「違うやろ!そういうことじゃ!!もー正吾ちゃんは純粋っちゅーか子供っちゅーか……」

イキナリ子供扱いされて一瞬だけイラっとしたが、ゲンさんの言葉の真意を聞かないわけにはいかない。

「な……だから、どういうことですか?」

「だーかーら!最初からワナやったんちゃうかっちゅーとるのよ!美人局よ美人局!!」

「はぁ??ツツモタセ??なんですか、ソレ?」

私の言葉を聞いて、ゲンさんは目を大きく見開いて椅子の背もたれにのけ反った。明らかに馬鹿にされた態度ではあったが、相手はゲンさんだ。言い争いなどしたくないし、堀口の話を最後まで聞かずにここで席を立つわけにもいかない。

「何なんですか?ツツモタセって」

脇にそれてしまいそうな話のレールを戻すため、私は務めて冷静にその意味を聞いた。

「せやからな。簡単に言うと、その女もグルやったんちゃうか?っちゅーことや」

「はぁ??」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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