六本木ヒルズからの七転八倒

【失踪編27】霊感ヤマカン疎外感

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ゲンさんは、かすれるほど小さな声で、電話の相手を教えてくれた。だが、私が最も知りたいのはその先だ。

「何があったんですか、一体?」

私が尋ねると、ゲンさんは困ったような顔をして、

「なんや、まだ何も聞いとらんのか?あとで説明してやるから、とりあえず看板出してき」

そう言ってゲンさんは私の肩をポンと叩いた。

あらゆる事が腑に落ちないまま、今日も『ライズ』は開店時間を迎えた。いつものように道路上に看板を出し4階のへと戻ると、『ライズ』のドアの向こうから店長とゲンさんの話し声がわずかに漏れ聞こえてきた。

ドアを開けると、二人はピタリと会話を止め、私の顔をじっと見つめた。

「店長、正吾ちゃん来ましたよ」

「……うん」

「話さんでいいんですか?」

「……う~ん」

店長は目を閉じ、腕組みをしたまま黙って天を仰いだ。ゲンさんは手のひらを上に向けるポーズを取っておどけてみせたが、いつものような和やかな『ライズ』の雰囲気とは程遠い。そんな二人の態度にたまりかねた私は、二人に迫った。

「何があったんですか?教えてくださいよ」

店長は一瞬だけ目を開けてこちらをチラリと見たものの、すぐに元の体勢に戻ってしまった。

「店長、ちゃんと言うたほうがエエですって。正吾ちゃんも気になってるし」

そうゲンさんに促されると、店長は

「そうだけど……長崎くんには直接関係無い話だしねぇ……」

私は店長のその言葉に僅かな疎外感を覚えた。確かに『ライズ』の中では一番の若輩者かもしれないが、一緒に働いてきた仲間じゃないか、という思いが私にはあった。そんな疎外感を振り払うべく、店長に詰め寄った。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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