六本木ヒルズからの七転八倒

【失踪編5】アレか!女か!?

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「堀口ちゃん、どうしたんソレ!?ボクシングでも始めたん?」

ゲンさんの大胆且つウイットに富んだ質問が堀口に投げかけられた。ゲンさんなら原因を聞き出してくれるかもしれない。そう思った私は、ロッカーの裏に身を隠して二人の会話に耳をそば立てた。

「いや、大丈夫ッス。何でもないんで……」

「何でもないこと無いやろー。階段から落ちたっちゅーケガやないしな。誰にやられたん?」

ゲンさんはいつも以上に軽いノリで、誰もが気になっている核心部分へと迫った。

「いや、これは……」

「堀口ちゃんのことやから……アレか!女か!?」

そう言うと、ゲンさんはカッカッカと大きな声で笑った。

「いや、ちょっと違うんスけど……」

「そらそうやろな。女にそんだけヤラれるなんてなかなか無いもんな。まぁ俺も昔はメチャクチャやっとったから分かるけど、あんまり無茶したらあかんぞ。身体は大事にせな」

そう言ってゲンさんがロッカーから姿を現し、身を潜めていた私と目が合った。その時、ゲンさんを呼び止める堀口の声が聞こえた。

「ゲンさん……」

「何よ?」

ゲンさんは胸ポケットに仕舞ってあったタバコを取り出しながら、ロッカーの方へと振り返った。

「あとでちょっと相談があるんスけど、イイッスか?」

「おう、エエよ。適当なときに呼びや」

ロッカーから出てきたゲンさんは、私の顔を見るなり、両手の手のひらを上に向けるジェスチャーでおどけてみせた。

いつの間にかこのジェスチャーが『ライズ』の中で流行っているようだ。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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