六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編06】カフェオレ飲んでる……

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――ホントにカフェオレ飲んでるんだな……

きのけんのカフェオレ好きは有名で、自身でも「カフェオレ依存症」と公言しているくらいだ。私は自分の台のことなどうわの空で、視界に入るきのけんの一挙一動に神経を集中した。

私は一般的なスロッターの御多分にもれず、パチスロ専門誌を頻繁に購読していた。だが、興味の矛先は「数値」であり「データ」だ。どの機種がどれくらい『喰える』のか。それが最も知りたい情報だった。ライターの書いたコラムにも一応は目を通すものの、正直なところ、あまり興味はなかった。

しかし、そんな中でも唯一、毎月楽しみにしていたのが、きのけんのコラム『喰うしかなかろが』だった。きのけんのスロットに対する愛情溢れる文章と、ストイックな立ち回りや考え方。自らの腕一本で生きていると感じさせる姿勢に、私は密かな憧れを抱いていた。そんな憧れの人――きのけんが今、隣でスロットを打っている。

私はふわふわと浮ついた気分になってしまっていたが、きのけんに不甲斐ない姿を見られたくないと思い、気を引き締め直した。私は小役を完全に奪取できる手順をフルウエイトでブン回した。程なくしてGOGO!ランプが青い光を放った。すぐさま一枚掛けでBARを狙う。ビッグボーナス中のリプレイハズシもいつも以上に高速で消化した。幸い、一度もミスすることもなくビッグボーナスを消化し終えることができた。

台に静寂が戻ると、隣の台の音が聞こえてきた。横目で確認すると、きのけんは我関せずといった感じで淡々とゲームを消化していた。私は一体、何と戦っているのだろうか。そう思うと、少し自分が恥ずかしくなった。

少し心を落ち着けようと席を立ち、自販機へと向かった。そこで、きのけんと同じカフェオレを買って席へと戻った。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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