六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編109】運が良ければ一万枚!

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裕子は五十嵐さんの目をしっかりと見据えた。

「どうって……そりゃあ、パチスロなんかやめてキチンと就職活動して欲しいと思ってますけど……」

五十嵐さんは口を少しだけ尖らせて、言葉に詰まった。

「ふーん。パチンコとパチスロの区別はつくようになったんだね」

裕子は慣れた手つきで十数枚のコインを一気に投入した。

「でも、今日木部っちがプラス1000枚以上出しちゃったら、木部っち本当にスロプーになっちゃうかもしれないよ?そしたらどうすんの?」

裕子が尋ねると、五十嵐さんは眉を八の字に曲げて困惑した表情を浮かべた。その表情に、私は胸のあたりが締め付けられる感覚を覚えた。

「その……プラス1000枚っていうのは、簡単に出ちゃうものなんでしょうか?」

五十嵐さんが上目遣いで裕子に尋ねた。裕子は回答に困ったのか、私の方を見て助け舟を要請してきた。私は不安げな五十嵐さんに笑顔を送りつつ答えた。

「パチスロには『設定』というものが6段階あるんです。設定6だとコインがたくさん出て、設定が下がるごとに出にくくなるわけです」

理解したことを示すように何度も頷く五十嵐さんを確認してから、私は続けた。

「今、木部が打っている機種――『大花火』っていうんですけど、もし木部の台が設定6だったら、1000枚どころか、運が良ければ一万枚くらい出たりしますよ」

五十嵐さんは、そのネコのような目を大きく見開いた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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