六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編119】GOGO!ランプの由来

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「大丈夫、なるようになるよ」

裕子は優しい口調で言った。五十嵐さんは一瞬目を丸くしたが、すぐに表情を緩めた。

「そうですよね、今さら彼に何を言っても無駄かもしれません。わたしにも責任の一端はあると思いますし……」

観念したかのように、五十嵐さんは身体を小さくして椅子に収まった。
五十嵐さんが感じる責任の一端というのが、どういうものなのか、私にはわからなかった。おそらく、就職が決まった自分が、無い内定の木部に対して思慮に欠ける言動をしてしまったとか、そういったたぐいのことだろう。

だがそれは、私と裕子も似たようなものだった。ここにいる三人は、程度の差こそあれ、木部の現状に対して負い目を感じていたのだ。

「さ、頑張ってまたペカらせて!」

五十嵐さんを鼓舞するように、裕子がGOGO!ランプを指差した。五十嵐さんも気持ちの整理がついてきたのか、「はい」と笑顔で答えてレバーを叩いた。

「ところで……」

「何?」

「どうしてGOGO!ランプっていうんですか?」

五十嵐さんの唐突な質問に、裕子は首を傾げてこちらを見た。私は小学生が九九でも暗唱するかのように、流暢に答えた。

「ディスコで扇子振り乱して踊ってた『イケイケギャル』ってのが昔いただろ?そこから取ったんだよ。『イケイケ』を英語にして『GOGO』ってな」

私の答えに、裕子は軽蔑の眼差しを向けた。

「絶っ対!ウソだ!バカじゃないの?」

「本当だよ!北電子の川崎さんがインタビューで言ってたんだって!」

睨み合う私と裕子の横で、五十嵐さんが屈託なく笑っていた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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