六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編140】3時間弱で747枚

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「木部が何枚出したか確認してくる」

親指で『タイムパーク』のシマの方を差すと、裕子は小さく手を振り遊技に戻った。五十嵐さんに眉を上げて見せると、彼女は真剣な表情で頷いた。

『タイムパーク』のシマに向かうと、ちょうど木部がドル箱を持って席を立つところだった。ドル箱にはおよそ1300枚くらいのコインが詰め込まれていた。思っていた以上に少ない。

「まだ足りないだろ?」

コインジェットの前で声をかけると、木部は耳元で「まだ捲れますよ!」と力強く言い放った。ちょうどその時、シマの端に設置された呼び出しランプが赤く点滅を始めた。視線をシマの中へ移すと、コイン補給を待つ客が誇らしげに席から立ち上がった。呼び出しランプに赤く照らされた木部の顔は、自信と覚悟で満ち溢れているように見えた。

コインジェットが音を上げて回り出す。ドル箱を傾けると、コインが二つの渦を作る。小気味良くカウンタが上がっていく。カランと最後の一枚が飲み込まれる音が聞こえ、店員が緑色のボタンを押した。

木部が手にしたレシートには「1253」と印字されていた。

今朝の時点で木部のノルマは「プラス1000枚」だった。『大花火』で2万円投資し、持ちコインで『タイムパーク』に移動し、結果的に1253枚獲得した。これでノルマは残り「プラス747枚」になった。

木部はレシートを胸ポケットに仕舞いこむと、携帯を開いた。それにつられて私もポケットから携帯を取り出した。時刻は二十時を過ぎていた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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