六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編141】ストック機の美味しいゲーム数を

←BACK【師弟編140】3時間弱で747枚
「あと747枚か。あと三時間しかないぜ。どうすんの?」

胸ポケットにレシートをしまう木部の顔を覗き込むように尋ねた。木部は顎を撫でながらニヤリと笑った。

「どうしたらいいッスかね。先輩ならどうしますか?」

まるで私のことを試すように木部が尋ね返してきた。私の考える立ち回りと木部の考える立ち回りは、もはやほぼ変わらないだろう。木部自身も私のアドバイスなど本気で求めているようには思えない。私は肩をすくめて「さぁ」とだけ答えた。

木部はレシートをしまった胸ポケットを指先で軽く叩きながら周囲をぐるりと見回した。

「たった747枚ですからね。ノーマルタイプに良さげな空き台があったら打ってみるか、ストック機の美味しいゲーム数の台が落ちてたら狙ってみますよ」

「まぁ、そうだな。でも、そんな面倒なことしなくても、五十嵐さんが打ってるジャグラーの設定『6』を譲ってもらったらいいじゃん」

私がニヤニヤと笑いながら木部の二の腕を小突くと、木部も照れ笑いを浮かべて「イヤですよ」と返した。言葉では否定しているが、五十嵐さん自身を否定している雰囲気は感じられなかった。

木部は「それじゃあ」と小さく手を上げ、店内の端のシマへと消えていった。その背中はすでにノルマ達成を確信しているのか、実に飄々としているように見えた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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