六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編150】審判『ストライーク!!ツー!!』

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声の主は、木部が遊戯するカド台の『巨人の星』だった。左の4thリールに星飛雄馬、右の5thリールに花形満が登場し、今まさに死闘を繰り広げようとしていた。

「なんだか……スゴイ台ですね」

五十嵐さんが目を丸くして言った。筐体の左右に鎮座する4th・5thリールがよほど目を引いたようだ。

「ジャグラーばっか打ってると、これくらいでも派手に見えちゃうよね。ちなみにこれは、三振に打ち取ればボーナス確定の演出ね」

裕子が得意気に答える。木部も私たちの存在に気づき、ニヤリと口の端を上げた。

――『ストライーク!!ツー!!』

ツーストライクまでは頻繁に出現するので驚くことではない。問題はこの先だ。1号から3号まである大リーグボールの中から、星飛雄馬はどの魔球を投じるのか。もちろん、3号の方が三振に打ち取る期待は大きくなる。

運命の三球目。木部がレバーを叩くと『ピュイ』っという気の抜けた音が私たちの間を通り抜けた。この大事な場面で、星飛雄馬は大リーグボールを投げなかったのだ。そんなことで花形満を打ち取れるとでも思っているのだろうか。この演出パターンは軽くヒットを打たれて負ける場合がほとんどだ。

それを理解している木部は、心底ガッカリしたように首をうなだれ、力なく停止ボタンを押した。ここで『カキン』と乾いた音が響いた後、星飛雄馬が膝をつき『ま、負けた』とつぶやく。そんな結末が用意されている……と、誰もが思っていた。

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  • 飛雄馬「この1球に賭ける」などと意味不明な供述を続けており……飛雄馬「この1球に賭ける」などと意味不明な供述を続けており……

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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