六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編152】追加投資スパイラル

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木部は身体を椅子に預け、苦笑いでこちらに顔を向けた。私も思わず苦笑を返した。

「結局、どうなったんですか?」

五十嵐さんが肩をすくめて言った。

「アンタも分かんない子だね!あれは、当たったけどレギュラーだったの!ジャグラーでも『BAR』『BAR』『7』っていうのがあるいでしょ?アレと同じだよ。だから100枚くらいしかで出ないの!」

裕子の説明に、五十嵐さんは眉を上げて応えた。特に喜んでいるとも悲しんでいるともつかない表情に見えた。私は木部の肩口に顔を寄せた。

「この状況でレギュラーとは、プロにしてはヒキが弱いんじゃないか?」

私が茶化すと、木部は嬉しそうに顔をほころばせた。

「まぁ引けただけでラッキーですよ。これでチャンスが出てきましたからね」

「でも、レギュラーじゃ128ゲームも回せないのが辛いよな。レギュラー分のコイン飲まれて、追加投資2000円でまたレギュラー引いて……っていうのが巨人の星の最悪パターンじゃん」

「でもここまできたら打たないわけにもいきませんからね。1000円投資したから、800枚以上出せばノルマ達成ですよ。コイツの連チャン性能なら設定関係無しに一撃で楽勝ッスよ!」

そう言って木部はリールの部分をコツンと指先で叩いてみせた。木部の顔は、心底パチスロを楽しんでいるように見えた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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