六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編157】俺のせいじゃない!

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――『飛雄馬!!』

木部が通常ゲームを消化し始めると、すぐに星一徹による『ちゃぶ台返し演出』が始まった。これは4ゲームくらいの連続演出で最終的に5thリールに巨大な『7』が停止すればボーナス確定だ。おそらくこの演出で当たりとなるだろう。

木部のリズミカルな遊技に呼応するかのように、当然のごとく5thリールに『7』が停止した。木部はいつも通り青7でボーナス図柄を狙う。ここでビッグならばノルマ達成に大きく近づくと言っていいだろう。

だが、右リールに停止したのは、無情にも『巨人の星』図柄だった。またしてもレギュラーだ。停止ボタンをネジったまま背もたれに身体を投げ出し、泣き笑いの表情を浮かべる木部を見て、私たちは思わず笑い出してしまった。裕子に至っては大爆笑している。五十嵐さんも口元は手で隠しているが、目尻は下がり肩を揺らしている。

「なんなんスかこれ!おかしくないですか!?」

木部の魂の叫びに、私たちはさらに笑い声を大きくした。

「そのストックを引いた人に怒れよ」

そう言って木部を諭すと、木部は左手の手のひらを上に向け、肩を上げた。
巨人の星は、ストックした順番にボーナスが放出される仕様だ。だからこそ、レギュラーが連続して放出された時は、やり場のない憤りを感じることになる。

ストック機にもてあそばれることを楽しんでいるようにすら見える木部と、その姿を見て笑う五十嵐さん。

もはや、ノルマを達成できるか否かは、大きな問題ではないような気がしてきた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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