六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編159】突然の『ゲチェナ』

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私は慌ててリールに視線を戻した。そこには、右リール下段にふてぶてしくも赤7が停止していた。その一コマ上には、素知らぬ顔でチェリーが居た。下段チェリー付7、いわゆる『ゲチェナ』だ。もちろん、ベルも揃っていない。

私は思わずリールを覗き込んだ。木部も目を丸くして動きを止めている。

「これ……リーチ目だよな?」

私が恐る恐る尋ねると、木部はリールの上部を覗き込んだ。取りこぼしが発生するスイカを引き込める位置で停止させているかを確認しているようだが、そもそもベル演出なのだから関係あるはずもない。それにしても、強めの連続演出を経ず、何の前触れもなく小役ハズレは『巨人の星』にしては珍しい。

リールから木部の顔へと視線を移した瞬間、あることを思い出した。ほとんど同時に木部もそれを思い出したのか、口を「あ」と開いた。

「先輩、これもしかして……」

「お前、純ハズレ引いた?」

『巨人の星』のボーナス放出契機は三種類。一つ目は「規定リプレイタイム数消化」、二つ目が「リプレイ四連」、三つ目が「純ハズレ成立」だ。リプレイタイム数消化を契機にボーナスを放出する際は、ほとんどの場合は数ゲーム前から連続演出発生する。今回のように突然リーチ目が出現することは非常に珍しい。
とはいえ、純ハズレの確率は1/65536というかなりの低確率だ。それを期待して遊技するようなレベルではない。

「狙ってみればハッキリしますね」

木部は力強く言い放ち、レバーを叩いた。同時に、4thリールと5thリールが激しく回転を始めた。

これは、木部の勝ち確定演出なのかもしれない。

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長崎 正吾

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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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