六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編22】「もう40人くらい並んでますよ!」

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先輩、昨日はごちそうさまでした!今日から俺マジでやりますから!見ててください!
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一通目のメールは、今朝の7時45分に届いていた。木部らしい勢いのある文章が少し微笑ましく思えたと同時に、少し引っかかる文言が目に止まった。

「昨日って……俺の奢りだったの?」

「そりゃそうでしょ。後輩の大学生に払わせられっか!って自分で言ってたじゃん」

「……そうか」

全く記憶に無いが、どうやらそういうことらしい。あとで財布の中身を確認するのが少し怖くなった。次のメールは9時35分に届いていた。

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今、新宿に着きました。先輩たちは来ないんですか?
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昨日、何時まで呑んでいたのか定かではないが、若者のバイタリティの凄さを思い知らされる。木部とは大して年齢も変わらないが、私にはそんな元気は無い。今もまだベッドから抜け出せないでいるくらいだ。私は最後のメールを開いた。そこにあった内容に、私は眉をひそめた。

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『ラッシュ』に着きました!もう40人くらい並んでますよ!何人くらいがジャグラーに行くんすかね?
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私は静かに携帯電話を閉じた。顔を枕に押し付け、昨日の記憶をたどる。なぜ木部は新宿の『ラッシュ』に行っているのだろうか。混濁する記憶に頼っていてもラチがあかない。私は枕から半分だけ顔を出して、裕子に尋ねた。

「ねぇ……昨日さ。俺、木部に『ラッシュ』に打ちに行けなんて言ってた?」

裕子は歯ブラシを咥えたままこちらに顔を向けた。

「『ラッシュ』のジャグラーを見れば日本の縮図が見える!って意味不明なこと言ってたよ」

どうやら、酒にやられていたのは私の方だったようだ。ちょうどその時、携帯電話が震えた。木部からの四通目のメールだった。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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