六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編24】設定発表札の真実

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ペットボトルに半分ほど残っていたスポーツドリンクを一気に飲み干し、テーブルの上へ静かに置くと、私は木部への返信メールを打ち込んだ。

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昨日はお疲れ。何時まで呑んでたのか記憶がさっぱりないけど、お前は体力あるなぁ。まぁ昨日の酒も残ってるだろうから、無理せずキリの良いところで引き上げろよ。
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私は作成した文面を二三度読み返してから送信ボタンを押した。だが、送信してすぐ、もう少し直接的に言ってやるべきだったかなと後悔した。

「朝ごはん何食べる?っていうかお昼ごはんだけど」

裕子が立ち上がり、お尻をパタパタとはたいた。私は「何でもいいよ」とだけ伝え、またしてもベッドに身体を横たえた。昨日のことを思い出そうと目を閉じると、少しずつテレビの音量が小さくなっていくような感覚を覚えた。

木部は昨日、「日本の企業は徹頭徹尾、卑怯ッスよ!嘘の塊ッスよ!」と何度も繰り返していた。それは、就職活動によってアイデンティティを破壊しつくされた若者の叫びに聞こえた。確かに木部の言うとおりかもしれない。けがれを知らない純粋な若者ならば余計にそう見えるだろう。だが、そうやって企業が成り立っているのもまた事実。

『ラッシュ』の設定発表札の真実に気がついた時、木部はなんと言うのだろうか。それを考えると、少し気持ちが重くなった。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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