六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編28】「設定4なんですかね?」

←BACK【師弟編27】客付き、三割弱。
「オッス!どうよ?調子は」

私は木部の肩を強く叩いた。木部は突然のことに驚いて肩を跳ね上げた。

「先輩じゃないッスかー。ビックリさせないでくださいよ」

「悪い悪い。昨日はちゃんと家まで帰れた?かなり呑んでたみたいだけど」

「何言ってるんですか。呑んでたの先輩の方でしょう。結局、彼女さんとタクシーで帰ってたじゃないッスか!」

「え!?」

私は驚いて裕子の顔を見た。裕子は両手の手のひらを上に向けて肩をすぼめた。

「覚えてないんスか?あんまり呑み過ぎないほうがいいですよー。もう若くないんですから」

そう言って木部は手に持っていたコインを台に投入し、レバーを叩いた。私は木部の台のデータ表示機をチェックした。

『2012G BIG 7 REG 3』

私はジャグラーのシマ全体を見渡した。客付きは三割に満たない程度。客層は年配客と学生風が半々といったところ。そして、ジャグラーの全ての台に「設定4以上!」の札が刺さっていた。私は裕子と顔を見合わせた。裕子は眉を上げて「アタシは知らないよ」とでも言いたげな表情をした。

視線を戻すと、木部は第三停止ボタンを親指でねじっていた。その親指を勢い良く離すと――カチッ――という音を伴ってGOGO!ランプが……灯るほど世の中甘くはない。

木部は眉尻を下げて私に尋ねてきた。

「この台、どう思います?やっぱり設定4なんですかね?」

→NEXT【師弟編29】レギュラー確率、覚えてる?

  • 小役回収打法とリプレイハズシで設定1でも……小役回収打法とリプレイハズシで設定1でも……

profile

長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
  • 性別:
  • 誕生日:
  • 血液型:
  • 出身地:
  • 好きなもの:
  • 嫌いなもの:
  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

calender

10月≫
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

戻る