六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編29】レギュラー確率、覚えてる?

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私は小さくため息をつき、肩を落とした。

「木部……お前、ジャグラーのボーナス確率って覚えてる?」

「当たり前じゃないですか!だいたい覚えてますよ」

「だいたいって……。じゃあ設定6のレギュラー確率は?」

「えっと、確か1/400よりちょっと良いくらいでしたよね?」

曖昧な答えのわりに、木部はやけに自信有りげな表情で言った。私はこめかみのあたりを掻きながら続けた。

「1/346な。じゃあ設定4と設定1のレギュラー確率は?」

「えー!?そんなのちゃんと覚えてないですよ!確か設定4が1/550くらいで、設定1が1/650くらいじゃなかったでしたっけ?」

「当てずっぽうにしては結構近いじゃん。設定4が1/546で設定1が1/655だな」

木部はうれしそうに白い歯を見せて、親指を突き立てた。私は構わず続ける。

「じゃあ設定6と設定1のビッグ確率は?」

「それは覚えてますよ。設定6が1/240で設定1が1/300くらいッスよね?」

「まぁ……ほぼ正解だな」

木部が概ね近似値を答えられたことが少しだけ悔しかった。私は木部の台のデータ表示機の『データ』と書かれたボタンを押した。

「そこで、だ。木部よ。完璧ではないとはいえ、それだけの知識がありながら、どうしてこの台を打ち続けてるんだよ。根拠は?」

台上には『2020G BIG 7 REG 3』と表示されたデータが鎮座している。木部は眉をハの字に曲げて困った顔をしてこちらを見上げた。

「根拠は……。だって、設定4以上じゃないッスか」

木部は台上に燦然と輝く『設定4以上』の札を指差した。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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