六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編31】レギュラー99回

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木部はジャグラーのシマの端から、データ表示機を押しては携帯に入力するという作業を繰り返した。その様子を私と裕子はカフェオレを飲みながら見守った。

「終わりました。クソめんどくさいッスよ!なんすかこの苦行!」

木部は携帯を一旦閉じ、裕子から手渡されたカフェオレを一気に飲み干した。

「どうだった?」

私が尋ねると、木部は空になった缶をゴミ箱に放り込んであらためて携帯を開いた。

「ゲーム数が62493で、ビッグが232回、レギュラーが99回ッスね。なんかレギュラー少ないような気がしますね」

「じゃあ、それ割り算して確率計算してみてよ」

私が言うと、木部は黙って携帯を操作し始めた。

「うーん、ビッグが1/269.36で、レギュラーが1/631.24ですね……って、レギュラーの確率、メチャクチャ低くないッスか?ビッグもあんまり良くないし……」

木部は眉間に深いシワを刻み、携帯に表示された数字を睨みつけた。私は木部の携帯を覗きこみ、もう一度その確率を確認した。

「まぁこんなもんだろうな」

私が二三度頷くと、木部は口をあんぐりと開けて目を見開いた。その顔を見て私は吹き出しそうになったが、なんとか堪えて言葉を続けた。

「設定4だとビッグが1/244、レギュラーが1/546。全台設定4以上だったら、これよりも高い確率で当たっててもおかしくないハズなんだけどな。おかしいね」

「おかしいッスよ!なんなんすか、コレ?」

木部はジャグラーのシマを振り仰いだ。ご老人がゆっくりとビッグボーナスを消化している姿がそこにあった。

「そもそもさ、全台設定4以上っていうオイシイ状況なのに、どうして平均3000Gしか回されてないのかって話だよな」

私が言うと、木部は深く息を吐きだした。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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