六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編38】7を揃えたら、一巻の終わり

←BACK【師弟編37】『判別ゲーム』と『判別小役』
「だから、設定上げ狙いの場合だと、判別ゲームでレバーを叩く手に力が入っちゃうんだよな。『判別小役出ろ!!』ってな」

「なるほど」

「ちなみに、この方法も万能じゃないからな。設定変更後に店長さんが何ゲームか回しちゃうと、もう使えなくなる。客のレベルが高い店だとこの対策をしている場合が結構あるけど、逆に客のレベルが低い店だと対策してない場合が多い。まぁ店長さんもできるだけ面倒なことはやりたくないだろうしな」

木部は私の解説に真剣に耳を傾けてくれた。

「あと、注意しないといけない点があって……」

私がそこまで言いかけると、けたたましい音が耳に飛び込んできた。一瞬状況を理解できなかったが、自分の台に目をやると、下段に7が三つ並んでいた。生入りさせてしまったようだ。

「良かったッスね、師匠!」

「さすが師匠!ヒキがお強い!」

木部と裕子が両脇から茶々を入れてくる。私は木部に言いかけたことを思い出し、耳が熱くなるのを感じた。

「え……っとね。変更判別をやってるときにビッグを揃えちゃうと……一巻の終わりだから。もう変更判別をやり直すことはできないんだ」

「マジですか?じゃあ先輩、もうダメじゃないですか」

「まぁ……そういうことになるな」

「何やってるんスか先輩!そんなことじゃダメじゃないッスか!」

「うるさいな!今日は変更判別の手順教えてるだけだからいいんだよ!あーコインたくさん出てウレシイわー!」

裕子が私の左肩をバンバンと強く叩いて爆笑している。私も堪えきれずに笑ってしまった。木部も肩を揺らしている。

「じゃあ先輩。先輩はボーっとしてて7揃えちゃいましたけど……」

「ボーっとは余計だ」

「先輩みたいにボーっとしてなくて、ペカったらどうすればいいんですか?」

「そういう場合は、ペカらせたままボーナスを揃えないようにしつつ、変更判別を続けるんだよ。もちろん、手持ちするコインが無くなったら追加投資もする」

「マジっすか?」

「で、設定変更か据え置きかの自信が持てるくらいまで判別ゲームを消化したら、晴れてボーナスを揃える」

「なんかそれ……カッコイイっスね!プロっぽいッスよ!」

木部はキラキラと目を輝かせた。

→NEXT【師弟編39】『ツンデレ』なんだよね

profile

長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
  • 性別:
  • 誕生日:
  • 血液型:
  • 出身地:
  • 好きなもの:
  • 嫌いなもの:
  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

calender

11月≫
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

戻る