六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編39】『ツンデレ』なんだよね

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「で、今クレジットがちょうど30になってるだろ」

私はビッグボーナスを消化し終えてから、木部の台を指差した。

「設定が変更されている場合、このゲームで『判別小役』、さっきもいったけどチェリー・ピエロ・ベルのいずれかが成立しやすいってことだな。チェリー狙ってみな」

私が軽くあご先を突き出すと、木部はあっさりと左リールを停止させた。そこには4枚チェリーが出現していた。

「ホントに出ましたね」

「な、出るだろ」

私が眉を上げて二三度頷くと、木部もそれに合わせて頷いた。

「これで1/1ってことだな。こうやって試行回数を増やしていくと信頼度も高くなるから……」

「何分の何くらいの確率だったらイイんですか?」

「そのくらい自分で調べなさい」

「えぇー!!面倒ですよ!!」

「うっさいな!パチスロ雑誌読めばだいたい毎号書いてあるよ!」

口をとがらせる木部をよそに、私は台上にあったドル箱に手を伸ばした。

「ヤメるんスか?」

「あぁ、俺らは帰る。お前は納得の行くまでやればいいさ。運良くビッグも引いたしな。勝ち逃げさせてもらうわ」

木部はそれを聞くと、私を指差したまま裕子と顔を見合わせた。

「なんかこの師匠、つれなくないッスか?」

「木部っち、ゴメンねー。うちの師匠『ツンデレ』なんだよね」

そう言って裕子は木部に向かって手刀を顔の前に掲げた。

「……なんだよ、『ツンデレ』って」

400枚弱のコインをドル箱を手に持ち、私は裕子に尋ねた。裕子は目を丸くして、

「『ツンデレ』も知らないとは……。むしろそれすら『ツン』なの?」

と、首を傾げながら余りコインを私のドル箱に放り込んだ。

「んじゃ頑張れよ」

「マジで帰るんスか?」

私は木部の言葉に軽く手を上げるだけで答えた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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