六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編40】もっとスゴイ『技』

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翌朝。私は裕子と二人で池袋の『トヨタ』に並んでいた。10月も下旬となると屋外にいても汗をかくことは少なくなるが、代わりに日陰の寒々しさが身にしみてくる。

「今日は何打つの?」

裕子がパーカーのポケットに手を突っ込んだまま、私の顔を見上げた。

「ジャグラー」

「だよね。ホント、飽きないねぇ」

「白ご飯はいつ食べても美味しいんだよ」

「ふーん、そんなもんかねぇ。アタシは何打てばいいの?」

「何でもいいんじゃない?しいて挙げるなら『獣王』の……」

そこまで言ったところでポケットの中で携帯電話が震えた。開くと、木部からのメールだった。

━━━━━
先輩、昨日はお疲れ様でした。あの後かなり勉強しましたよ!『設定変更判別』はもう完璧に理解しました!それに『設定変更判別』よりもっとスゴイ技も覚えましたから。今日から無敗伝説作りますよ!!
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木部のメールはそこまでで終わっていた。私の二の腕にしなだれかかるように、裕子が携帯を覗きこんできた。

「木部っち、もっとスゴイ技って言ってるけど、何のことなの?」

「さぁ。店長と仲良くなって設定を聞き出す打法とかじゃない?」

私は肩をすくめて答えた。なんとなく思い当たるフシはあるし、確かにそれは『スゴイ技』のように思えるかもしれない。だが、それは同時に『使える場所があれば』という条件もついてくる。

ちょうどその時、列の前方が動き始めた。私は木部に返信することなく携帯をポケットに仕舞い、店内へとなだれ込んだ。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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