六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編44】砂漠で砂金を見つける行為

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「木部っち、どうだって?」

「どこかでニューパル打ってるってさ」

「へー。ノーマルタイプ打つなんて、さすがパチスロに夢を持たない師匠の弟子じゃん」

「うるさいわ。GOGO!ランプには夢と希望が詰まってるだろ!」

私が裕子の二の腕のあたりを小突くと、裕子はいたずらっぽく肩をすくめた。飲み干した缶をゴミ箱に放り込み、テーブルに開いておいた『月刊パチスロキング』に目をやる。隣から裕子も顔を寄せてきた。

――確かに『設定判別法』は使える技だ。だが、それを使う意味のあるホールが果たして……

またしても携帯が震えた。今度は電話だった。私は右耳を人差し指で塞いでから、携帯を左耳へと押し付けた。

「もしもし、木部?聞こえる?」

「聞こえますよ。先輩たちも打ってるんスか?」

「おぅ。そっちの調子はどうよ?」

「さっぱりッスよ!!なんなんですか、あの設定判別打法って!もう7台もカニ歩きしてますけど、設定5以上判別すら合格しないッスよ!おかしくないッスか?」

語気を荒らげる木部に、私はたしなめるように言った。

「設定判別のやり方が間違ってないならば、その7台は全部設定4以下だってことだよ。ところでお前、今どこで打ってるの?」

「高田馬場の『コスモサン』って店です」

「あーあそこか。客層も若いだろ?学生街だし」

「確かにそうッスね」

「じゃあ諦めな。というか、今時都内でニューパルの高設定を見つけようなんて、砂漠で砂金を見つけるようなもんだぜ」

「はぁ!?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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